分析で財務諸表の異常を発見することは可能か?

(※)過去のブログを再度アップしたものです。

公認会計士が企業の貸借対照表や損益計算書などを監査するとき、まず最初にやるのが分析です。いきなり帳簿の細かいところを見にいくのではなく、まずは数字や指標を前期のものなどと比べてみて、大きな変化や異常な変化がないかどうかを確かめます。

もっともよく行われるのは前期比較分析です。例えば、急成長中の会社を除けば、売上が前期の倍になっていることは普通はありえません。なので、細かいチェックをするまでもなく、比較分析の段階で何かがおかしい、異常だとわかるわけです。このようなときは、まずは数字が大きく変動した理由に見当をつけてから(新しい事業を始めた、新商品を投入した、大口得意先を獲得したなど)、より個別具体的な手続き(新しい事業の取引を調べる、新商品の売上を調べる、大口得意先への売上を調べるなど)へと進みます。

科目の数字を使った比較分析だけでなく、指標を使った比較分析もあります。例えば、売掛金の回転期間分析です。

売掛金の回転期間とは、未入金の売上が何ヶ月分たまっているかを表すもので、(期末の売掛金残高/一月あたり売上)という数式で算出します。売掛金残高が30で、月あたり売上が10であれば、30/10=3なので、3ヶ月分の売上が未入金であることになります。

回転期間は会社ごとに異なりますが、等しく入金条件の影響をうけます。得意先ごとに入金条件は異なるのが普通ですが、仮に全得意先について、月末締め翌月末払いという入金条件だった場合、回転期間は1ヶ月になるはずです。なぜなら、期末月の前月の売掛金は期末日に入金されていて、期末月の売上だけが未入金になるはずだからです。

ところが、実際は先方の仕入のタイミングは当方の売上のタイミングより遅いですし(ここで1月遅れる)、期末日が休日だと入金が翌営業日になることもあるので(ここでもう1月遅れる)、回転期間は得意先ごとに見れば最大で3ヶ月になることもあります。それでも全体的に見れば2ヶ月を超えることはよほどありませんので、回転期間が1ヶ月から2ヶ月の間におさまっていれば、大きな間違いはないでしょうし、逆に1ヶ月より短いまたは2ヶ月より長いときは、なにか異常があると気がつけるわけです。(短い場合は期末に売上だけを架空に計上しているかもしれないし、長い場合は売掛金の焦げ付きが起きているかもしれません。)

ちなみに回転期間分析を行うときに使用する月あたり売上は、期末に近い月の売上を使うとより精度の高い分析ができます。(何ヶ月分使うかは会社によります。)期末の売掛金は期末に近い月の売上金額の影響をより強く受けるからです。ただし、簡便的にやるときは年間売上を12で割って月あたりの売上を求めます。

分析にはこのほかにもいろいろな種類があります。分析で異常を見つけられると会計士的にとてもかっこよいです。

【連絡先】
JIM ACCOUNTING(児島泰洋公認会計士・税理士事務所)
代表 児島泰洋
電話: 090-1811-5461
メール: yasuhiro.kojima@jimaccounting.com

 

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