連結決算とエラーチェック

※以前のエントリーを復活させたものです。

会社内のある部署が別の部署に資料の提供を依頼することはよくあります。

私がいた会社の経理部でも決算などにあたっては、総務・人事・財務などの他部署から、固定資産や各種保険、給与や賞与、預金や投資などの情報に関する資料の提供を依頼することがよくありました。(ちなみに、このときは同じ社内なのに、丁寧な依頼書を毎回作成していました。)

他部署に資料を依頼するとき注意しなければならないのは、資料内における情報と情報の整合性です。例えば、とある勘定残高とその明細の合計は必ず一致していなければなりませんが、不一致のまま提出されることがあります。そうなると、また資料の提供を依頼する羽目になり二度手間になってしまいます。資料を提供する側も何度も資料を提供させられるのはごめんでしょう。

依頼する部署ではそうならないように資料のフォーマット(普通はExcelファイル)を自ら作成し、エラーチェックするロジックを組み込んでおくとよいでしょう。チェックロジックによりエラーが出ている状態では、提出が物理的に不可能にしてしまうとさらに強力です。

上記は同じ社内の場合ですが、連結決算では親会社が子会社に対して決算書とその明細などの資料を要求します。子会社が国内や海外に何社もあるような会社では資料の誤りがあると、確認や修正に手間がかかり連結決算の締め切りに間に合わなくなってしまいます。

そのため、子会社の決算情報を集めるためのツールであるる連結パッケージには厳格なエラーチェックが何百種類も組み込まれます。

連結パッケージはwebベースのものもあれば、Excelベースのものもありますが、いずれにせよこのエラーチェックが組み込まれていて、通常は重要なエラーがすべて消えるまで提出できない仕組みになっています。

エラーチェックの組み込み方はいくつかあって、Excelベースの連結パッケージであれば、①Excel本来の機能を生かしたものと②チェックプログラムによるものがあります。

①の例

    • 計算式を利用して、セルA(勘定の残高欄)とセルB(当該勘定の明細の合計欄)が一致しないなどのエラーがあれば「False」などと表示させる
    • 条件付き書式を利用して、エラーがあればセルを赤色にする
    • 入力規則を利用して、そもそも不適切なデータ(日付を入れるセルに文字が入力されているなど)を入力させないようにする

②はシステム会社が独自にプログラムするもので、やることは①と基本的に同じです。Excel本来のエラーチェックを巧みに回避してしまう会社もあるので念のために備えられる場合と、複雑な論理チェックをするためなどに用いられます。

①と②をクリアすると、子会社はようやく親会社に連結パッケージを提出できるわけです。

エラーチェックというのは要するにつぶすべきチェック項目をツール自体に組み込んでしまうものです。エラーチェックがあれば、他部署ないし他の会社が自らエラーをチェックしなくてもよくなります。検査工程を必要としない「品質は工程で作り込む」という考え方にちょっと似ていますね。

ちなみに、エラーは子会社が自分の力でつぶせるようにすることが大切です。どうやっても絶対に回避できないエラーは起きないようにしなければなりません。私はそのような過ちを犯してしまい、ひんしゅくを買ってしまったことがありますので、気をつけましょう。

JIM ACCOUNTING(児島泰洋公認会計士・税理士事務所)
代表 児島泰洋
電話: 090-1811-5461
メール: yasuhiro.kojima@jimaccounting.com

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